それによると、 2010年9月15日現在推計で、日本の総人口は1億2,735万人(男性:6202万人、女性:6533万人)となっています。
そのうち、65歳以上の高齢者人口は2944万人で、総人口に占める割合は23.1%となっています。これを前年(2898万人、22.7%)と比較すると、46万人、0.4ポイント増と、人口、割合ともに過去最高を記録しています。
また、年齢階級別にみると、70歳以上人口は2121万人(総人口の16.7%)で、前年と比べ61万人、0.5ポイント増、75歳以上人口は1422万人(同 11.2%)で、53万人、0.5ポイント増、80歳以上人口は826万人(同6.5%)で、38万人、0.3ポイント増となっています。
男女別にみると、男性は1258万人(男性人口の20.3%)、女性は1685万人(女性人口の25.8%)です。
高齢者人口の推移(総務省統計局調べ)
このデータからわかるように、日本人の約4.3人に1人が高齢者という時代になってきており、今後も高齢者の割合は増える一方です。そうなってくると、インターネットサービスという観点から考えたときに、ますます高齢者を意識したサービス作りというのが切っても切れなくなってくるのではないかなと思います。特にロングテールではなく全ての世代をターゲットとした王道のサービスなどは。
そこでまず気になるのが、高齢者のインターネット利用動向です。
2010年7月6日に同じく総務省が発表した、平成22年(2010年)版の情報通信白書の統計データによると、高齢者のインターネット利用率は平成21年末で36.9%となっており、特に65~69歳代では58.0%と対前年比20.4ポイント増と大幅に増加しているようです。
しかし、インターネット利用率の全体平均は78.0%であり、他の世代に比べるとまだ利用率は低いようです。
高齢者のインターネット利用率
ただ、昨年と比較すると利用率は増加しており、徐々に普及していってはいるようです(単に今までインターネットを利用していた65歳以下の人が年を重ね65歳以上になったからというのもあるでしょうが)。また、今年度に入りiPadなど機能がシンプルで感覚的に操作できるデバイスが市場に出るなど、今後高齢者のインターネット利用率は高齢化も相まって徐々に増加すると考えられます。
そうなると重要なのが高齢者のインターネットの利用用途です。
少しデータは古いですが、gooリサーチとNTTデータ経営研究所が2008年12月16日に発表した「高齢者におけるパソコン・ネットの利用動向に関する調査」によると、60歳以上の高齢者は資産運用を目的とした「オンライン証券等取引」の利用が60歳未満と比較し、高いようです。若年層に比べ資産に余裕があることや、自身の老後への不安が現実味を帯びていることなどが背景にあると考えられます。
また、情報検索・閲覧系は60歳未満ほどではないですが、比較的高齢者の利用用途として高い水準となっていることがわかります。仕事を引退し、いわゆるセカンドライフを営むようになっても情報収集意欲は依然として高いようです。
ブログ、SNSなどのコミュニティ系に関しては、利用用途が60歳未満と比較してもかなり少ないようです。ただ、コミュニケーションの手段として電子メールは98.7%と高く、60歳未満と同水準であるため、今後SNSなどへ転換の可能性がないわけではありません。
インターネット利用用途
以上、今回は日本の高齢化の現状とインターネットの利用動向についてまとめてみました。その理由としては、高齢化率の高い日本で多くの人に利用されるインターネットサービスを提供していくには、高齢者を意識せざるを得なくなるのではないかと考えたためです。
もちろん今のデジタルネイティブの世代が高齢化すれば劇的にインターネットの利用動向は変わるかもしれませんが、それは20年、30年先の話です。少なくとも現状は、インターネットが普及して十数年と自身の人生に占める割合が少ない高齢者です。
そう考えたとき、年配の世代にも受けるサービスとはどんなものなのか。こういった現状を踏まえ、今後考えていきたいなと思った次第です。