2010年9月10日金曜日

利用シーンから見るニコニコ動画

一つの軸として、ニコニコ動画の利用目的はユーザの立場が個人なのか、企業なのかで大きく分かれると考えられます。

企業側であれば、例えばニコニコチャンネルでPR目的で動画を配信したり、ニコニコ市場でアフィリエイト広告を出稿したり、ニコニコ直販でグッズを売ったりといった商業目的の利用が考えられます。これはこれで利用目的の一つでしょう。

では個人の場合はどうなのか。

今回は、一般ユーザのニコニコ動画の利用目的について、世界最大の動画共有サービスであるyoutubeとも比較しながら考えていきます。

◇ニコニコ動画の利用目的
動画共有サイトと言えば、ニコニコ動画より先にyoutubeが思いつく人も多いのではないでしょうか。言わずと知れた世界最大の動画共有サービスですが、その利用目的を考えると、共通する部分ももちろんありますが、異なった部分も見えてきます。

まずは共通する部分からですが、双方とも「暇つぶし」に利用するユーザが多いのでは、という点です。基本的に動画サイトにはなんとなく訪れて面白そうな動画があったら再生してみる、という人がこれに当たります。そういった人たちが多いために、ニコニコ動画やyoutubeのトップには人気の動画ランキングやおすすめ動画といったリコメンドコンテンツが配置されているのではないでしょうか。

そのほかの利用目的としては、 自分の好きなアーティスト・芸能人の動画を視聴するため、見逃したテレビ番組を視聴するため、テレビや雑誌、webなどで紹介された動画を視聴するため、友人、知人から聞いて気になった動画を視聴するため、音楽PVなど再生してBGM代わりにするため、といった目的が挙げられます。

では、異なる部分はなにか。

それは、ニコニコ動画を利用するユーザのほうがユーザ同士の交流を目的としている点です。言い換えるならば、ニコニコ動画のほうがユーザとのコミュニケーションが活発で、コミュニティが醸成されやすいということです。

その理由としては、ニコニコ動画全体が独特のゆるく、ちっと抜けたサイト設計になっている点や、ユーザーが動画を宣伝できるニコニ広告、特定のユーザ内で動画を視聴できるニコニコミュニティ、ソーシャルゲームが楽しめるニコニコ遊園地などのユーザ同士のコミュニケーションが活性化する仕組みが挙げられます。

しかし、やはり一番大きな理由は「コメント機能」と言えるのではないでしょうか。

この機能により、視聴している動画に対してユーザが感じたことなどをコメントとして投稿することで、他のユーザが視聴したときに動画に被さってコメントが一緒に流れていきます。これにより視聴者は”みんなでみてる感”を体感することができ、他人が感じてること、思ってること、人の感情に触れることができます。

これは、テレビを家族や友達と一緒に見ながらつっこんだり、感想をつぶやいたり、笑ったりすると楽しいと感じる感覚と通じるものがあります。

ニコニコ動画ではこういったコミュニケーションをコメント機能により提供することで、動画に新たな付加価値をつけています。

また、動画を視聴すると分かりますが、このコメントが結構笑えます。たとえよくわかんなかったり、つまらないであろう動画も、そこについたコメントにより面白いコンテンツになったりしており、付加価値の強力さが実感できます。そりゃコメントを付けるユーザが何百、何千、それ以上ニコニコ動画上にはいるわけですから、千差万別で面白いですよね。

また、最近ではニコニコ生放送により、リアルタイムで同時視聴し、コメントを付けることもできるようになっており、ユーザ同士のコミュニケーションがさらに活発になっています。

こういったニコニコ動画独特の機能によるコミュニケーションの活性化効果により、居心地の良さを生み出し、サイトの平均滞在時間増加に結果的につながっているのではと思った次第です。

主要動画サイト平均滞在時間
(ビデオリサーチインタラクティブ 「インターネットオーディエンス調査」より)

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