海外では既にFacebookのいいね!(Like)やTwitterのTweet Button(ツイートボタン)といった形で提供されていましたが、今回のmixi・GREEのオープン化により、ついに国内サービスからも提供が始まりました。
mixi「mixiチェック」
GREE 「Social Feedback」
◇増加するソーシャルフィード
そんな大手SNSがこぞって提供し始めたソーシャルフィードですが、はたして普及するのでしょうか。現時点では、mixiとGREEの発表によると以下のメディアに導入されているようです。
ソーシャルフィード導入メディア
YouTube やヤフーをはじめ多くのユーザを抱えるサイトでソーシャルフィードが導入されているところを見ると、ユーザの目に触れる機会は今後どんどん増えていくと考えられます。また、ソーシャルフィードはmixiやGREEのDeveloper Center で設置方法が公開されており、簡単に設置できるため、上記以外でも個人サイトやブログなど多くのサイトで設置される可能性は高いと言えます。
なぜなら、ソーシャルフィードの設置は無料で、設置コストはほとんどなく、また、設置することでソーシャルフィードを見たSNS上のユーザから設置サイトへの流入が見込めるためです。トラフィックが増えれば広告プラットフォームとしての価値も上がりますし、サイト運営側としてはうれしいですからね。
実際、先に公開されたFacebookの「いいね!(Like)」ボタンは、約35万サイトでプラグインされ、一日あたりは30億回クリックさています(SocialBeat-Facebook serves 3 billion Like buttons a day)。単純計算では年間にすると実に約1兆件です。恐ろしい数ですね。
◇和製ソーシャルフィードの課題
ただ、Facebookでこれだけ使われているのだからmixiチェックやGREE Social Feedbackも普及してユーザに使われるのでは、と考えるにはいくつか懸念事項もあります。
そもそもユーザはソーシャルフィードボタンをなぜ押すのか?と考えたとき、やはり一番大きな理由は、自分が気になって、いいね!と思ったコンテンツを友人・知人とシェアしたいためと考えられます。それが友人・知人とのコミュニケーションのきっかけになるからです。
例えば、旅行サイトで期間限定の北海道のグルメツアーを見つけたとして、「そういえば友達が前北海道行きたがってたな~」ということであれば、ソーシャル フィードで教えてあげることができます。youtubeでおもしろい動画を見つけたとき、友達にも「ぜひ見てみて!」といったことでリコメンドすることもできます。そしてそれをきっかけにちょっとした会話が生まれるかもしれません。
こういった友達とのつながり・コミュニケーションがソーシャルフィードボタンを押す動機と考えると、現在のmixiチェックやGREE Social Feedbackは外部サイトに設置したとき、サイト訪問者から見るとそこに表示されるのはボタンだけであり、Facebookなどと比較すると外部サイトへの連携がまだ少し弱いのかなと感じます。
現状だと、ソーシャルフィードボタンを押したユーザが誰でどれくらいの数いるのかや、ソーシャルフィードボタンを押した友人・知人がどんな感想・意見・コメントを持ったのか、といった情報が外部サイトに表示されないのです。正確には、SNSにログインしないと確認できません。
◇ソーシャルフィードが普及するためには
おそらくユーザがあるコンテンツに対し、ソーシャルフィードボタンを押すかどうかを決める判断材料として、友人・知人がそのコンテンツに対しどういったアクションを起こしているかという情報は極めて有益だと考えられます。もちろん、例えば最近流行りの共同購入などで自分が欲しいクーポンが最低落札数に達していないからソーシャルフィードで友人・知人に勧めたりといった利用シーンでは必ずしもそうではないかもしれませんが、メジャーな利用シーンではきっとそうでしょう。そう考えると、今後ソーシャルフィードが多くのユーザに使われるためには、外部サイトへの更なるソーシャル情報の組み込みが必要と言えるでしょう。もちろん前提として、ソーシャルフィードを飛ばす先であるSNS上に自分が今知らせたい友人・知人のソーシャルグラフが存在することは前提となってきますので、SNSにとってはアクティブ利用者を増やすことは極めて重要です。
そして、多くのユーザに利用され、ソーシャルフィードが外部サイトからソーシャルグラフを持つプラットフォームであるSNSに入ってくると、今度はプラットフォーム側で情報を整理し、フィルターをかけてユーザに提供することが重要となってくるのでしょう。
そうなってはじめて、最近いろいろ言われるGoogleなどの独自アルゴリズムによる検索の時代から友人・知人などの信頼関係に基づく個別にカスタマイズされたソーシャルな検索の時代へシフトしていくのだろうなと思った次第です。
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