2010年9月23日木曜日

なぜコロプラは流行るのか、位置ゲーの魅力を考える

◇コロプラとは?
コロプラ(正式名称「コロニーな生活☆PLUS」)は、株式会社コロプラが2005年5月から提供している携帯位置情報ゲーム(通称「位置ゲー」)です。

GPS等を利用して現在地の情報を随時登録することで、移動距離に応じた仮想通貨「プラ」がもらえ、蓄えた「プラ」により様々な設備やアイテムを整え、それを使って自分のコロニーを繁栄させていくコロニー運営シミュレーションゲームになります。

コロプラって何?という方は以下の紹介動画をご覧ください。

コロニーな生活☆PLUS

現在は、iモード(docomo)、EZweb(au)、Yahoo!ケータイ(softbank)およびiPhone、androidに対応しており、2010年9月15日時点で、ユーザー数140万人、月間16億PVとヒットサービスになっています。

コロプラが流行る理由
そんな大人気サービスとなっているコロプラですが、なぜ流行るのか?

もちろん、GPS機能付き高機能携帯の普及や、パケット定額制の浸透などによるプラットフォーム側の要因もあるでしょう。しかし、一番大きな理由は、「移動=楽しい」とユーザが思えるようなサービス設計にあると考えられます。

◇理由その1
その大きな特徴として、「1km=1プラ」としてゲーム上の仮想通貨をもらえるようにすることで移動距離に応じたインセンティブを持たせている点です。

これにより、現実の世界では通学や会社通勤など、移動距離が長い人ほど時間がかかり、精神的にも苦痛である行動が、自分のコロニーを発展させるためのプラがもらえるということで、遠距離移動が報われ、移動がちょっと楽になるのです。

こういった普段の生活のちょっと嫌な部分が少しでも楽しくなるようなところがユーザがハマる理由の1つです。実際、使っているユーザも30代を中心とし、40代、20代のサラリーマンが多いようです(http://colopl.co.jp/press/news/2010/0630.html)。

◇理由その2
2つ目の特徴としては、 新しい場所に行くとインセンティブがあるという点です。

そのインセンティブの一つがお土産です。例えば、名古屋近辺で位置登録をすると味噌カツやういろうが購入できたりといった、日本全国その地域ごとに異なったご当地品を購入することができるサービスです。

これにより、普段の通学・通勤による移動とはまた異なった旅行による移動も楽しくなります。あるいは逆に、お土産をコンプリートしたいから新しい場所に出かけるといったこともあるでしょう。なお、お土産にはその地域の特定の施設周辺でしか購入できないものもあるため、コンプリートするために、必然的に他のコロニーとの交流が必須となる場合が多く、ユーザ同士の交流にも一役買っていたりします。

また、お土産には現地で位置登録することでコロプラ内で購入できるご当地品以外にも、コロプラのスポンサーとなっている企業・店舗・施設に行き、実際に買い物を行うことで手に入れることができるスポンサーお土産もあります。 これにより、実際に買ったお土産をサイト内のお土産としても所持することができます。

そして、新しい場所に行くと発生するもう一つのインセンティブが、コロカ(コロプラカード)です。現地で買い物を行った際にコロプラのユーザーであることを申請し、会計時に金額に応じて、対象のお土産がデザインされているトレーディングカードであるコロカをもらい、カードに描かれたシリアルナンバーを入力してコロプラ上でお土産を購入することができるサービスです。

 コロカ

こういったカードというのはコレクション欲が掻き立てられますよね。

このような実店舗と連動したサービスであるスポンサーお土産やコロカにより、ユーザに店舗を訪れてお土産を購入するインセンティブを与えている点は、地域の店舗側にとっても、活性化のきっかけになり、双方がwin-winになる良いサービスと言えます。

特にきっかけづくりという点はとても重要で、地方にいくら素晴らしい特産品や伝統工芸などがあっても、ユーザが知って、行く機会がなければそれまでとなってしまいますからね。

◇結論
以上のように、普段の生活の中で行う通学・通勤や旅行による「移動」にちょっとした楽しさ、インセンティブを盛り込み、リアルと連動させて(バーチャルな)ゲームとして仕立てている点がコロプラが流行る理由と言えます。

移動という行為は誰もが行うことであり、その行為には目的地があり、移動手段があり、ときには宿泊があります。今後もこういった要素要素と関連した地域、交通機関、施設などと連携した企画を提供していくことで、より多くのユーザに利用され、ユーザの普段の生活をちょっと楽しく豊かにしていくのだろうなと思います。

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