2010年6月10日木曜日

利用シーンから見るfacebook

そういえば、facebookって名前を改めて見ると「face=顔」「book=本」ってことだよなと、ふと思いました。

ここで言う「face=顔」とは、SNSでのプロフィールです。つまり、他の人が見て、「あ、この人はこういうことが好きなんだ」「こんな友達がいて、こういうことに興味があるんだ」、あるいはフィードや日記から「こういう性格の人なんだ」といったことが分かるその人独自のページです。

これらのプロフィール(=face)が何千万人、何億人と集まった大きなページの集合(=book)がfacebookなんだなと。

そんなfacebookですが、他のSNSと比較して特徴的なのは実名登録を推奨し、リアルの友人同士の交流の場と位置付けていることと言えます。実際に、名前を本名にし、プロフィール写真も自分の顔が映っているものを使っている人が多いです。

このエントリでは、そんなfacebookについて、リアルコミュニケーションがベースであるからこそ生まれる強みや弱みを中心に、その利用シーンについて考えていこうと思います。

◇実名登録の強み
やはり最大の強みは「情報の信頼性の高さ」でしょう。実名であるからこそ、その人のプロフィール(経歴や趣味、連絡先など)情報に対して信頼性がある程度担保されます。その人をリアルで知っている人がその人の名前や写真を見て知り合いと判断できれば、その人のプロフィールも信頼できると思えるからです。

では、その人を全く知らない第3者が見たらどうか?もちろんその人を全く知らないため、プロフィールを見ても情報の正否は判断できません。しかし、SNS自体に実名の文化があるため、匿名が多いSNSと比較し、ある程度の信頼性はあると判断できるでしょう。

人間の本質として、信頼できる情報を信頼できる相手と共有したいという気持ちは誰にでもあります。そういった意味で、facebookはつながりの質と情報の信頼性で他の匿名のSNSと比べ強みがあると言えます。

利用シーンで見ると、例えば家族や親戚とつながることを考えた場合、やはり実名のほうがいいでしょう。 リアルで知っていて身近な人だからこそ、実名のほうが認識しやすいですし、信用してつながれます。

また、リアルで人間関係の浅い人同士が(facebookの「紹介」機能で知ってる名前が紹介されたりして)facebook上でつながることで、「あ、今まで知らなかったけどこの人こんな趣味が合って、こんな友達がいで、出身は××なんだ!趣味合いそうだからいろいろ絡んでみたいな」といった感じで、人間関係を深めていったりするのにも役立ちます。

他にも、ビジネスの場などで全く知らない人とかかわることになった場合に、その人がfacebookに登録していれば、その人のプロフィールを見つけられ、深く知ることができます。また、その人の評価もできるでしょう。

◇実名登録の弱み
逆に実名登録の弱みとしては人物や身元が特定されやすいことといえます。facebookではないですが、他の実名での登録を推奨していたSNSで06年に起きた「ケツ毛バーガー事件」(男性ユーザーがファイル共有ソフトから交際相手の女性の猥褻画像を流出させ、女性がSNSに実名で登録していたため身元が特定されて問題になった)に代表されるように、画像の流出や日記の炎上などの問題が起こり得るといったことが挙げられます。

また、話は少し変わりますが、他のSNS で見られるような収益で大きなウェイトを占めるアバターの効果が弱いといった点も挙げられます。facebookのようなリアルな友達同士でコミュニケーションを取るためのサービスではアバターはそもそも必要ないとか、元々の顔を知っているのであまりアバターを着飾らせにくい。やり過ぎると、 ちょっとカッコよく(かわいく)みせてるな、とか思われると困るといった心理から導入効果が薄いと考えるためです。

このように実名登録はアバターのような問題も起こり得りますが、人物や身元が特定されるために起こる問題については、匿名・実名に限らずマナーというか、リテラシーの問題のような気もします。ただ、プライバシーの確保といった点では、facebookでは情報の公開範囲指定や日記の書き込み制限といったように細か設定することで、ある程度されているとは思いますが。

◇プラットフォームとして利用
さて、ここまではリアルな友達とのコミュニケーションの場といった点でfacebookの利用について述べましたが、この他にもfacebookでは、自身のプラットフォームを活用し、外部のコンテンツを取り込んだり、facebookの情報を外部サイトで活用したり、といった用途としても利用されています。

外部コンテンツの取り込みといった点では、Facebook Platform上で動作するアプリケーションの利用が考えられます。facebook上でのソーシャルグラフを利用したアプリケーションやゲームを通じて、友達と競争したり、一緒に楽しんだりすることでコミュニケーションを深めたりできます。

また、Facebook Platformを利用して自分がアプリケーションを作り、みんなに使ってもらうといったこともできます。

逆に、facebookの情報を外部サイトで活用するといった点では、自分が運営管理するサイト・ブログなどでのFacebook Connectによるfacebookとの連携が挙げられます。これにより、サイト管理者は自分の運営するサイトの情報をfacebookを利用して友達に発信できたり、また、facebook経由でのアクセスアップに活用することもできます。

その他にも企業やアーティスト、個人が広告媒体として利用したりもしています。

以上のように、facebookはソーシャルプラットフォームとして、友達とのつながりをベースに、ユーザにさまざまな形で利用されています。

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