2010年6月30日水曜日

収益から見るmixi

今回は会員数2000万人を超える日本最大のSNSであるmixiの収益構造について見ていきます。

◇22年3月期の連結業績(平成21年4月1日~平成22年3月31日)
データの参照元は2010年5月12日にmixiから発表された平成22年3月 期 決算短信の最新の財務データを中心としています。

連結売上高:13,600百万円(136億)
連結営業利益:2,752百万円(27.5億)

 
mixiの2009年度通期 連結損益

mixiの2009年度通期 連結事業別売上高

2008年度通期と比較して、売上、利益ともに増加しています。また、売上の内訳を見てみると広告売上87%、課金売上9%となっており、売上のほとんどが広告売上となっていることが分かります。

◇mixi、GREE、モバゲーと比較
広告売上が大半を占めるmixiですが、その売り上げ構成はGREEやモバゲーと比較してどうかということを見てみます。なお、元データはmixi、GREE、モバゲーの決算報告です。

 mixi、GREE、モバゲー四半期売上高の推移(単位:百万円)


mixi、GREE、モバゲーの四半期売上高と会員課金率の推移

これを見るとGREEやモバゲーと比較し、如何にmixiが会員課金売上が低く、広告売上に依存しているかがわかります。mixiの広告売上は好調に推移しているが、一般的に広告売上は会員課金に比べ景気の変動を受けやすいため、今後どのように会員課金を増やしていくかが課題になると考えられます。

これに対しては、2009年8月に提供を開始したmixiアプリが順調に利用者を拡大しているようです。

mixiアプリの利用動向

利用者が拡大しているmixiアプリにおいて、mixiは収益化に向けてmixiアドプログラム(広告)およびmixiペイメントプログラム(課金)の提供を開始しています。
  • mixiアドプログラム
    • mixiアプリ面に広告枠を設け、広告主に販売
    • SAP(mixiアプリ提供者)に対してmixiアドプログラムを提供し、一定基準に応じて収益を配分(1ページビューあたり最低0.01円の報酬を保証)
  •  mixiペイメント
    •  mixiアプリ内で利用可能な共通ポイント(mixiポイント)を課金手段として提供
    • 課金売上はSAPとmixiで8:2でレベニューシェア(決済手数料除く)
mixiペイメントによる課金は順調に拡大しており、2009年第4四半期(2010年1月~3月)で売上2.7億、対応アプリ63個のようです。

しかし、クオリティの高い内製ゲームを提供するGREE(釣りスタなど)やモバゲー(怪盗ロワイヤルなど)と比較するとまだまだと言えます。

mixiはアプリやコンテンツによる課金ではなく、ソーシャルグラフによる強みを利用し、それを基盤としたプラットフォームとして価値を上げることで収益化に結び付けようと考えているようですが(mixiが目指す「SEOから“SGO”へ」 「いいソーシャルグラフを作る」と笠原社長)、ゲームやアプリと比較しマネタイズが難しいため、如何にして収益を上げていくのか。 現在mixiはmixiアプリに続く新プラットフォームサービスの提供を計画しているようですし、今後のmixiの動向に注目したいと思います。

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