2010年7月29日木曜日

収益から見るAmeba

会員数1,000万人以上、1日100万件を超えるブログ記事が投稿され、月間2,295万人(※1)が利用する国内でも最大規模のデータ量と利用者を抱えるインターネットメディアである「Ameba」の収益構造について見ていこうと思います。

※1 ネットレイティングスHOME&WORK PC対象 調べ

なおデータの参照元は、Amebaの運営会社であるサイバーエージェントから2010年4月28日に発表された2010年9月期第2四半期決算説明会資料になります。 サイバーエージェント自体はAmeba関連事業の他、 インターネット広告代理事業やFX事業、メディア関連事業といった事業セグメントがあり、それぞれ収益が発表されていますが、今回はAmeba関連事業(Ameba、アメーバピグ、プーペガール、MicroAd等)についてのみ見ていくこととします。

◇Ameba関連事業2010年9月期第2四半期(2010年1月~3月)収益ハイライト
  • Amebaの2010年3月の閲覧数は144.3億PV(前年同月の83.6億PVと比べて60.7億PVの大幅増)
  • アメーバピグ等の課金及び広告収入が拡大したため、売上高は18億5,500万円(前年同期7億6,100万円、144%増加)、営業損益は7.3億円の利益計上(前年同期1.3億円の損失計上)
  • 売上の内訳は、広告その他売上が12億600万円課金売上が6億4,900万円
 Ameba事業売上高(四半期)推移

次に、広告その他売上(以下、広告等と呼ぶ)と課金売上のそれぞれの内訳を見ていきます。

◇Ameba事業広告等売上(12億600万円)
  • バズマーケティング 2億3,900万円
  • 純広告 4億1800万円
  • コンテンツ連動型 2億6,700万円
  • その他(タイアップ広告等含む) 2億8,200万円
Ameba事業四半期広告等売上高推移

広告に関しては、純広告が売上構成としては高く、他の広告は大体同じくらいの売上となっているようです。ただ傾向として、タイアップ広告等を含むその他の広告は減少傾向にあり、バズマーケティング、純広告、コンテンツ連動型広告は順調に増加しているということがわかります。

◇Ameba事業課金売上(6億4,900万円)
  • アメーバピグ 4億3,483万円(67%)
  • ブーシュガ 9,735万円(15%)
  • プレゼント 7,139万円(11%)
  • その他 3,894万円(6%)
Ameba事業課金売上高推移
Ameba内での課金アイテム等は仮想通貨アメゴールドにより販売されています。そのため、内訳がアメゴールド利用比率になっています。

これを見ると、2009年2月19日にアメーバピグがリリースされて以来、課金売上が大きく増加していることがわかります。実際売上比率に関しても、アメーバピグが67%と圧倒的です。

そこでアメーバピグのARPUについて見てみると、2010年3月時点で約1,000円と非常に高い数値で推移していることがわかります。

 アメーバピグ会員数とARPU推移(月次)

2010年1月~3月のアメーバピグの売上が4億3,483万円。3か月間の平均売上は約1億4494万円。3か月間のARPUの平均を約930円とすると、アメーバピグ内のアメゴールドを消費するユーザは約15万6千人。2010年1月~3月の平均ピグ数(アメーバピグ会員数)は251万7千人なので、会員あたりのピグ内でのアメゴールド消費率は約6.2%となっています。
--- 2010/8/1追記  当初、消費率を18.6%としていましたが、正しくは6.2%でしたので内容を修正しました。売上を1カ月分で計算すべきところを3カ月の合計で計算ていたためです。失礼いたしました。

アメーバピグの会員数に関しては、リリース以降順調に会員が増え続けており、2010年4月9日に300万人を 突破、2010年6月9日には400万人を突破しています。今後も順調に増加することが予想され、仮にこのままのARPUが維持されることとなると会員数の増加とともに相当の収益が見込まれることとなります。そうなると、現在Ameba関連事業の売上構成比率が「広告:課金=2:1」となっているのが、今後はこの比率が徐々に逆転していくことも十分考えられますね。

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